明神山/夢前町
山頂に神社のある山  所在/兵庫県姫路市夢前町神種(このくさ)

頂上に祠が祀られ、
山麓の神元神社の
前身という。

明神山全景
きれいな三角錐の山で、全山岩山
明神山伝承 ここにはひとつの神社伝承が伝わっている。
明神山の白翁
(はくおう)
雄略天皇(21代・推定五世紀後半)のころと云うー
神種村に弥久彦(やくひこ)、富良雄(ふらお)・直丸(じきまる)・智茂理(ちもり)・日網田(ひこうだ)という者がいた。神種村の北に明神山という高い山があり、この山の頂上に夜な夜な明るく光るものが見える。不思議に思った五人は村人に語るのだが、村人にはそれが見えない。不思議に思い、また薄気味もわるく山へ登ってみることにした。
明神山は600メートル余り、道なき所を草木を分け絶壁をよじ登りようやく山頂に達した。みるとー、 三メートルばかりのご幣が頂きに突き立っている。しばらく見ていると、ご幣の後ろに白髪の爺さんがぼーっと現われ、だんだんとはっきり見えてきた。思わず五人は大地にひれ伏した。

爺さんは低い声で静かに云う。
「われは佐太の大神である。明神山は播州一の名山で尊く清い山である。このご幣は、畏くも高皇産霊(たかみむすび)の神、神皇産霊(かみむすび)の神、スサノオの神の御霊代(みたましろ)である。この三柱の神をこの山に祀れ。神のご守護はあらたかで神種は栄え村人は幸いになる。ゆめゆめ疑うことなかれ」
そう云うと、すうっと消えていった。

五人は驚き、あわてて山を駆け下り村人に事の次第を話した。そして、神のお告げに従い明神山の頂きに小さな祠を建てて祀った。この社が神元神社といい今も神種村の氏神として祀られている。
その時の、弥久彦・富良雄・直丸・智茂理・日網田の子孫はそれぞれ、御名見(みなみ)、宇治、珂地(かじ)、難波、菰生(こうも)と名のり代々社司となって神社に奉仕したという。

この地方には現在も南・宇治・難波姓があり、いにしえの御名見、宇治、珂地、難波の後裔だといわれており、また、菰生(こうも)という地名も残っている。
神元神社
 所在/兵庫県姫路市夢前町神種(このくさ)

明神山と神種の神元神社
祭神 高皇産霊(たかみむすび)の神、
神皇産霊
(かみむすび)の神、
スサノオの神の御霊代
(みたましろ)




付近案内図   ⇒広域地図


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神代の残像
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