芦屋道満の伝説
・道満が上京し晴明と内裏で争い負けた方が弟子になるという呪術勝負を持ちかけたことにより、帝は大柑子(みかん)を16個入れた長持を占術当事者である両名には見せずに持ち出させ「中に何が入っているかを占え」とのお題を与えた。
早速、道満は長持の中身を予測し「大柑子が16!」と答えたが、晴明は加持の上冷静に「鼠が16匹」と答えた。
観客であった大臣・公卿らは中央所属の陰陽師である晴明に勝たせたいと考えていたが中身は「大柑子」であることは明白に承知していたので晴明の負けがはっきりしたと落胆した。しかし、長持を開けてみると、晴明が式神を駆使して鼠に変えてしまっており、中からは鼠が16匹出てきて四方八方に走り回った。この後、約束通り道満は晴明の弟子となった、と言われているという。

・遣唐使として派遣され唐の伯道上人のもとで修行をしていた晴明の留守中に晴明の妻とねんごろになり不義密通を始めていた道満が、晴明の唐からの帰国後に伯道上人から授かった書を盗み見て身につけた呪術で晴明との命を賭けた対決に勝利して晴明を殺害し、第六感で晴明の死を悟った伯道上人が急遽来日して呪術で晴明を蘇生させ道満を斬首、その後に晴明は書を発展させて「ホキ内伝金烏玉兎集」にまとめ上げたといった話が有名である。
この『金烏玉兎集』を盗写したという伝説は、のちに浄瑠璃、歌舞伎に脚色された。

阿倍晴明伝説が全国的に拡散したのと同様、蘆谷道満伝説も、日本各地に「蘆屋塚」・「道満塚」・「道満井」の類が数多く残っている。


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神代の残像
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